🌾一粒万倍日・天赦日とは|決まり方の規則と、根拠がどこまであるのか
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財布を新しくする日、宝くじを買う日、開業する日。そういう場面で持ち出される一粒万倍日と天赦日は、いま「最強開運日」としてよく紹介されます。ではそれはどう決まっているのか。答えは六曜と同じで、占って決めているのではなく暦から機械的に計算されます。規則と、そのうえでどこまで根拠がある話なのかを書きます。
一粒万倍日は、節と日の十二支で決まる
一粒万倍日は選日(せんじつ)と呼ばれる暦注のひとつです。二十四節気のうち月の区切りにあたる「節」と、その日の十二支の組み合わせで決まります。
寅の節(立春から)=丑の日・午の日/卯の節(啓蟄から)=寅の日・酉の日/辰の節(清明から)=子の日・卯の日/巳の節(立夏から)=卯の日・辰の日。
午の節(芒種から)=巳の日・午の日/未の節(小暑から)=午の日・酉の日/申の節(立秋から)=子の日・未の日/酉の節(白露から)=卯の日・申の日。
戌の節(寒露から)=午の日・酉の日/亥の節(立冬から)=酉の日・戌の日/子の節(大雪から)=子の日・亥の日/丑の節(小寒から)=子の日・卯の日。
節ごとに2つの十二支が割り当てられているので、およそ6日に1回、月に5回前後、年間で60日ほどになります。かなり多い、というのが実感に近いと思います。
天赦日は年に5〜6回
天赦日(てんしゃにち)は、季節とその日の干支の組み合わせで決まります。こちらは4通りしかありません。
立春から立夏の前日まで=戊寅の日/立夏から立秋の前日まで=甲午の日/立秋から立冬の前日まで=戊申の日/立冬から立春の前日まで=甲子の日。
干支は60日で一巡するので、それぞれの季節に1回か2回しか当てはまりません。結果として年に5回か6回になります。一粒万倍日の60日ほどと比べると、かなり少ないことが分かります。
意味としては、百の神が天に昇り、天が万物の罪を赦す日とされます。暦注のなかでも特別扱いされ、「天のみ吉」と注記されることがあります。
季節の区切りが立春・立夏・立秋・立冬である点は、九星気学が立春を年の変わり目とするのと同じ考え方です。詳しくは節分と立春に何が変わるのかにまとめました。
「最強開運日」は重なっただけ
一粒万倍日が年60日ほど、天赦日が年5〜6回。この2つが重なる日は年に数回しかないので、そこが「最強開運日」として紹介されます。
ただし、重なることに特別な意味づけが元からあったわけではありません。別々の基準で決まる2つの暦注が、たまたま同じ日を指しているだけです。大安と重なる、寅の日と重なる、といった話も同じ構造です。
重なった日の効果が足し算や掛け算になるという根拠はありません。八方塞がりと厄年が同じ年に来ても影響が2倍にならないのと同じ理屈です。
根拠はどこまであるのか
ここは正直に書きます。一粒万倍日については、中国の原典に該当する選日が存在せず、根拠を欠くと指摘されています。中華圏の暦の専門家はこれを使わない、という指摘もあります。
つまり、日本の暦のなかで広まった考え方であって、長い伝統に裏づけられた計算というわけではありません。名前の由来(一粒の籾が万倍の稲穂になる)は分かりやすいものの、それは意味づけであって根拠ではありません。
天赦日のほうは古い暦注として位置づけられていますが、こちらも吉日であることを示す検証があるわけではありません。
そのうえで、使ってはいけないとは思いません。「いつやるか」を決めかねているとき、決め手として使うぶんには害がないからです。当サイトの立場は六曜と同じで、六曜(大安・仏滅)とはにも同じことを書いています。
宝くじ・財布・ローンの話
一粒万倍日に宝くじを買う、財布を使い始める、という紹介をよく見かけます。宝くじの当選確率は購入日では変わりません。当選番号の抽せんは購入日と無関係に行われるので、ここは占いの領域ですらない話です。
財布を新しくする日については、そもそも害がないので好きにしてよいと思います。気分が変わるのは本当です。入籍や結婚式の日取りに使う場合は入籍日・結婚式の日取りの決め方に整理しました。財布の色や種類の話は金運アップの習慣は本当に効くのかで検証しました。
逆に「一粒万倍日に借金をすると苦労も万倍になる」という説明も広く出回っています。これも根拠のある話ではありませんが、借入の判断を日付で決めないほうがよいのは確かです。金利と返済計画で決めてください。
気をつけたいのは、この日を口実にした販売です。「今日は最強開運日なので」と高額な商品や祈祷をすすめられたら、その場で決めないでください。見分け方は開運商法の見分け方にまとめています。
よくある質問
Q. 今年の一粒万倍日はいつですか? A. 当サイトでは一覧を載せていません。年が変われば全部書き換えになり、古い表が残ると間違いのもとになるためです。上の対応表があれば、その日の十二支と節が分かるカレンダーから自分で判断できます。
Q. 不成就日と重なった場合はどうなりますか? A. 打ち消し合うという説明も、そのままでよいという説明もあり、定まっていません。どちらも根拠は示されていないので、気にしすぎないでよいと思います。
Q. 当サイトの鑑定は一粒万倍日を使っていますか? A. 使っていません。今日の運勢は生年月日と日付から、吉方位は九星気学の日盤から算出しており、選日とは別の体系です。
Q. 大安と一粒万倍日はどちらが強いですか? A. 比べられるものではありません。六曜と選日は別々の基準で、強弱を決める仕組みは存在しません。
Q. 開運日に何もできませんでした。 A. 特に問題ありません。年に60日ほどある日なので、次はすぐに来ます。